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since Aug.2009.......「声低く語れ(parla basso)」というのはミケランジェロの言葉です。そして林達夫の座右の銘でもありました。                        ふだん私は教室でそれこそ「大きな声で」話をしている気がします。そうしないといけないこともあるだろうと思います。けれども、本当に伝えたいことはきっと「大きな声」では伝えられないのだという気がします。ということで、私の個人のページを作りました。
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 読むこと。問題を解くために読むのではなく、読むために、読みを深めるために問題を解くこと。そこを転倒しないこと。

 文字は紙に印刷されたインクにすぎない。
 けれども、その向こう側に書き手がおり、書き手の意志がある。
 行間には何もない。けれども、言葉と言葉の関係の中に、書き手は何かを託した。その言葉と、関係付けられた言葉に異を唱えること、賛同すること、別様の解釈をすること。そうした自由と権利を読み手は持つ。けれども、関係自体をつくりかえ、差し替える権利は誰にもない。言葉が織り出すテクストを作り替えてしまう権利は誰にもない。

 読むことは自分を照らし出す。どう読んだのか、ということの中に、そのように読む自分の姿が浮かび上がる。

 どういう意味を文章に見出すのか、ということと、どういう関係がどこに見いだせるのかを区別することは、自己と他者を峻別することと同じだ。他者が存在することは、思うままにはならないものとの出会いがあるということだ。その思うに任せないことを噛み締めるところに現代文を読む意味がある。
 そこは他者との緊張感に満ちた出会いの場であり、同時に意識されていなかった自分との遭遇の場でもある。
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